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大阪地方裁判所 昭和38年(行)48号 判決 1964年1月31日

原告 坂本善久

被告 国立大阪大学々長

主文

本件訴えを却下する。

訴訟費用は、原告の負担とする。

事実ならびに理由

原告の請求の趣旨およびその理由とするところは、別紙記載のとおりであるが、右は、要するに、原告がさきに国立大阪大学医学部精神科において、精神分裂症の診断を受けたことを不当とし、右不当をいう原告の主張に対して適切な措置をとらなかつた同大学教授、精神科医長訴外金子仁郎の態度をもつて、国家公務員および右精神科医長としての職務放棄ないし職務権限濫用の行為にあたるとして、同訴外人に対する懲戒処分として免職ないし右精神科医長の地位の剥奪の措置を被告に求めるにあることが明らかである。

しかしながら、右は、いずれも原告にとつてその個人の自由ないし権利に直接関係する事項とはいえない(訴外金子仁郎が懲戒免職さるべきであるか否かは、原告の具体的権利義務にかかわりのないところである。)公的機関の構成員の懲戒を求めることにあるから、個人の市民的利益に直接関係する紛争だけを法律上の紛争としてこれを裁判する裁判所の権限に属さないところであり、他に、裁判所の特別権限として、国立大学の教官に対する懲戒の権限を有る者(これが右訴外人につき本件被告でないことは、教育公務員特例法および国家公務員法の規定に照らし明らかであるが、この点はしばらく措く。)に対し、右懲戒の措置を求める訴えにつき裁判権を認めた法律はないから、結局、本件訴えについては裁判権が認められず、右訴えは不適法であり、その欠缺を補正することができないものといわなければならない。

よつて民事訴訟法二〇二条により本件訴えを却下することとし、訴訟費用の負担につき同法八九条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 山内敏彦 井上清 小田健司)

(別紙)

(訴えの趣旨)

被告国立大阪大学々長赤堀四郎は同大学医学部精神科医長金子仁郎教授を大学自治法、国家公務員法、医師法に従つて懲戒解雇せよとの執行宣言を求める。訴訟費用は被告の負担とする。

(訴えの事由)

国立大阪大学医学部付属病院精神科は、外来者の診察義務を負いながら、その医長金子仁郎教授に従う佐野助教授以下教官及び精神科婦長が学識上精神分裂しているゆえに診察鑑定する医師、される外来者双方の立場にどちらが学識上精神分裂かとの事件に対し過去十年近く争つていることを認識しながら、その責任を明らかにしない医長のために原告として過去十年間近く完全な空白生活ばかりか将来にも時間的精神的物質的に大きな損害を蒙つたばかりか再三再四医師側に学識上精神分裂しているという原告の主張に対してその責任を表明しないのと同時に国家公務員である特殊な立場を利用して知人から依頼されて今なお原告に対し精神分裂者にわざわざ仕立てあげて人生の破滅化を計つて行くことに共謀結託して行くことは人間の良識として考えられない歴史を築き上げてきたことに今更改めて法律上の責任を追及する余地もないばかりか精神鑑定医師たる医師が精神分裂している助教授、教官、婦長であることを認識していながら放置していることは精神科医長としての責任上全く職務放棄および職務の乱用兼職務権利の乱用以外の何ものでもない故速やかに医長たる金子仁郎教授を懲戒解雇せよ。

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